漢字「睦」の成り立ちと意味
漢字「睦」は、「目」と「坴」という二つの部首を組み合わせて構成されています。「目」は人の目を象徴し、視覚を表す象形文字です。一方、「坴」は土が盛り上がる様子や集まることを意味します。
この組み合わせから、「睦」はもともと多くの人々が目を向け合う、すなわち集まるさまを指し示します。これが転じて、「人々が仲良くする、親しくする」という意味を持つようになりました。
さらに、「坴」は「穆」とも関連があり、「穆」は柔らかい、やわらかいという意味を持つことから、「穏やかな目」を通じて、人々が和やかに交流する様子を表すようになったとも解釈されています。
睦月のもう一つの呼び名について
1月、またの名を睦月と呼ばれますが、この月にはさまざまな異名や別称が存在します。
初春月(はつはるつき) これは「春の最初の月」という意味合いがあります。
睦月は、旧暦における季節の分類で、春の初めに位置づけられます。旧暦では、1月から3月を春とし、それに続く各季節が3ヶ月ずつ割り当てられます。
孟春(もうしゅん) ここでの「孟」は「最初」を意味し、「孟春」は春の初めを指します。
新春(しんしゅん) これは旧暦での春、特に1月を指し、新しい春の始まりを象徴しています。
早緑月(さみどりづき) この時期には徐々に自然の緑が増え始めるため、この名前がつけられました。
初空月(はつそらづき) 新年が始まり、初めて迎える空、特に元日の朝の空を指す名称です。
子日月(ねのひづき) 旧暦での最初の月が始まる日、特に「子」の日を指します。
太郎月(たろうづき) ここでの「太郎」は初めや起点を示す言葉として用いられ、一年の始まりの月を表します。
その他にも、一年の開始を祝う多くの異称があります。
・年初月、年端月(としはつき) ・初月(しょげつ) ・年初(ねんしょ) ・初歳(しょさい) ・歳始(さいし) ・歳首(さいしゅ) ・正月(しょうがつ)
さらに、次のような異名もありますが、具体的な意味や由来は不明確なものも含まれています。
・祝月(いわいづき) ・初見月(はつみづき) ・三微月(さんびづき) ・開春(かいしゅん) ・発歳(はっさい・はっせい) ・主月歳(しゅげつさい) ・暮新月(くれしづき) ・陽春(ようしゅん) ・肇春(じょうしゅん・ちょうしゅん) ・端月(たんげつ) ・桐月(とうげつ) ・初陽(しょよう) ・芳春(ほうしゅん)
新年を迎えると多くの人が家族や親戚との再会を楽しみ、新しい年を祝います。「睦月」は仲良く親しみ合う月としても知られており、新年が皆にとって幸せなものとなるよう願いが込められています。
子供への「なぜ1月が睦月と呼ばれるのか」を説明する
以下のようにシンプルでわかりやすい言葉を使って説明するといいでしょう。
「睦月というのは1月のことを言うんだよ。『睦月』という名前は、昔の人たちが新しい年が始まる1月に、家族や友達が集まって仲良く過ごすことから来ているんだ。『睦む』という言葉には『仲良くする』という意味があるから、1月を睦月と呼んで、みんなで仲良く新しい年を迎えるんだよ。」
この説明は、1月が「仲の良い月」とされる理由と、その名前の由来を結びつけて説明しています。子供さんには具体的なイメージがしやすいように、家族や友達が集まる様子を想像させることがポイントです。
お正月に家族や親戚と集まって、ワイワイする様子とイメージ付けてあげるのがポイントです。