お歳暮を受け取った際、何を返すべきか、またそのお返しの金額はどの程度が適当か、どのようにお礼状を書くべきか、多くの方が不安に思うかもしれません。
こうした疑問に対する答えと、お礼状の具体的な書き方について説明します。
お礼状の作成に役立つ実例も提供するので、安心してお返しとお礼の準備ができます。
お歳暮を受けた後の対応方法
お歳暮は、感謝と来年もよろしくという願いを込めて、通常、年末に目下の者が目上の人へ贈るものです。このため、目上の方からのお歳暮に対しては、特に物品のお返しは必要なく、お礼状で応えることが一般的です。
現在では、親戚や友人のように上下関係が明確でない間柄でお歳暮を贈ることも多いです。この場合は、お返しを贈ることが一般的です。
お歳暮を受け取った場合の対応:
- 目上から目下への贈り物: お返しは不要。お礼状を送りましょう。
- 上下関係がない間柄: お礼状を書き、必要に応じてお返しを行います。お返しとお礼状を同時に送ることも可能です。事前に電話で感謝の意を伝えるのも良いでしょう。
お歳暮のお返しのタイミングと方法
お歳暮を受け取った際の対応としては、お礼状は受け取りから3日以内に送ることが望ましいです。これは手紙やはがきでの送付が一般的ですが、親しい関係であればメールやSNSでも対応可能です。
お返しについては、通常、目上の方から目下の方へのお返しは必要ありません。ただし、平等な関係の間では迅速にお返しをすることが礼儀とされます。時期が過ぎてしまった場合は、お年賀や寒中見舞いとして贈るのが一般的です。
お歳暮の送る時期は地域によって異なりますが、一般的には12月初旬から20日までに送ることが推奨されます。この時期には多くの家庭が忙しくなるため、最遅でも12月25日までには届くように手配します。
特にお正月料理の材料など生鮮食品を送る場合は、大晦日までに届くようにする必要があります。この際、配送の日時についてはあらかじめ相手に通知する配慮が求められます。
お歳暮期間後の対応方法
お歳暮の期間を逃してしまった場合、次の対応が考えられます:
- お年賀として贈る
- お歳暮の期間に間に合わなかった場合、新年の挨拶として1月1日から松の内までに贈ることが適切です。松の内は関東地方では1月8日まで、関西では1月15日までとされています。お年賀は直接手渡しするのが一般的で、喪中の場合は避けるべきです。このとき、包装紙には「お年賀」「御年賀」と記載します。
- 寒中見舞いとして贈る
- 松の内が過ぎた後や、相手が喪中である場合は、寒中見舞いとして贈る方法があります。寒中見舞いは立春の前日まで、つまり2月3日ごろまでに贈るのが一般的です。寒中見舞いを送る際には、包装紙に「寒中御見舞」と記載するのが適切です。
これらの方法により、時期を逸した場合でも適切な対応が可能です。
お歳暮への適切な返礼方法
お歳暮を受け取った際の返礼は、贈り物の価値を過剰に超えない範囲で選ぶことが礼儀とされています。
相手が不快に感じることがないよう、贈ったものの半額から同額程度の品を選びましょう。
特に高価な品を返すことは、相手に次回から贈らないように促すメッセージと受け取られかねません。
また、お礼状を送る際には、感謝の気持ちを適切に伝えるための文例に従って書くことが推奨されます。
お礼状の作成ガイド
お礼状は形式に則って書くのが一般的です。封筒やハガキで送るのが通例ですが、親しい間柄であれば、メールやSNSを使っても適切です。
正式なお礼状は便箋に縦書きで手書きするのが望ましいですが、横書きやハガキでの送付も広く受け入れられています。
お礼状の典型的な構成は以下の通りです:
① 頭語 「拝啓」や「謹啓」など、文の開始を示す敬語です。
② 時候の挨拶 季節や天候にちなんだ挨拶。例えば、12月なら「歳末の候」、1月なら「初春の候」などを使用します。
③ 体調に関する問いかけ 相手の健康を気遣う言葉を添えます。例えば、「貴社益々ご隆盛のこととお喜び申し上げます」。
④ 感謝の表現 「このたびは格別のお心遣いを賜り、心より感謝申し上げます」といった感謝の言葉を記述します。
⑤ 結語 文末に使う礼を示す言葉。例えば「敬具」や「草々」。
⑥ 日付 手紙を書いた年月日を記載します。
⑦ 署名 最後に自己の名前を記します。
友人へのお歳暮お礼状例文
拝啓
寒冷の候、○○様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
この度は、心温まるお歳暮を賜り、誠にありがとうございます。家族一同、大変喜んでおります。
冬の寒さが厳しさを増しておりますので、どうぞお身体を大切にされてください。
お忙しい中を恐縮ではございますが、この場を借りて心からの感謝の意を表します。
敬具
令和◯年1月◯日 差出人の名前
ビジネスシーンでのお歳暮受領に対するお礼状の例文
拝啓
寒中の候、貴社におかれましては益々ご発展のこととお慶び申し上げます。
このたびは格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。頂戴した品々は大変ありがたく拝受いたしました。
年末のお忙しい中、お心遣いいただき、誠にありがとうございます。どうぞお体を大切にされ、新たな年も皆様にとって実り多き一年となりますようお祈り申し上げます。
略式ながら、書面にて厚く御礼申し上げます。
敬具
令和◯年1月◯日 差出人の会社名、差出人の名前
あとがき
日々の忙しさの中で、お歳暮のやり取りが減少している今日この頃ですが、伝統的なこの風習は、心を通わせる大切な機会です。
何かを贈り合う行為には、感謝や思いやりの気持ちが込められています。
ですので、お歳暮を受け取った際には、感謝の気持ちを形にしてお返しすることが重要です。
直接感謝の意を表すことで、互いの絆が深まりますし、これを機に新たな一年も良い関係が続くことを願います。