赤ちゃんの初節句は、新しい家族のメンバーが生まれた後に耳にする機会が多くなる用語です。
友人の家に家族が増え、「初節句どうした？」と聞かれましたので、調べて纏めてみました。
初節句とは、どのような意味を持ち、どんな風習に基づいているのでしょうか？
さらに、男の子と女の子では、それぞれ初節句をどのように祝うのでしょうか？
この記事では、初節句の意味と、それぞれの性別に応じた祝い方について詳しくご説明します。
初節句の読み方とその意義
初節句の正しい読み方は「はつぜっく」ですが、「はつのせっく」と読むこともあります。「はつせっく」という読み方は正しくありません。
初節句の意味については、赤ちゃんが生まれてから初めて迎える節句を指します。節句とは、季節の変わり目に行われる邪気払いの行事です。日本では古来、季節の変わり目に邪気が入り込みやすいとされ、この時期には神様へのお供えや邪気払いの儀式を通じて、健康や豊作、子孫繁栄を祈願してきました。
日本には「五節句」と呼ばれる五つの主要な節句があり、それぞれの節句は以下の通りです：
- 人日の節句（じんじつのせっく）: 1月7日
- 上巳の節句（じょうしのせっく）: 3月3日
- 端午の節句（たんごのせっく）: 5月5日
- 七夕の節句（しちせきのせっく）: 7月7日
- 重陽の節句（ちょうようのせっく）: 9月9日
これらの節句は、季節ごとの重要な節目として、それぞれ特別な意味を持ちます。
五節句の意義とその日付
五節句は、季節の節目を祝い、五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄を願って神様へのお供えや邪気払いを行う日です。「節句」の「節」は季節の変わり目を意味し、「節供」とも表記されます。
五節句の起源
五節句は、唐の時代に中国から伝わりました。陰陽五行思想に基づき、奇数月の奇数日（1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日）が五節句とされ、これらの日は「陽」で縁起が良いとされますが、奇数が重なることで「陰」に転じるため注意が必要です。これらの日には季節の旬の食べ物を食べ、生命力を得て邪気を払うことが目的でした。
五節句の日本での受容と発展
日本には奈良時代に伝わり、宮中行事として取り入れられました。江戸時代初期には、五節句が公的な行事として幕府により定められ、大名や旗本から一般民間にも広がりました。農作業の節目で行われる古来からの風習と融合し、現在の形に発展しました。明治5年の暦の改正で公式な制度は廃止されましたが、五節句は年中行事として日本の文化に根ざしています。
では、その中でもどれが子供の節句となるのでしょうか。
五節句の中で子ども向けの節句はどれ？
五節句の中で、特に子どもに焦点を当てた節句は「上巳の節句」と「端午の節句」の二つです。
「上巳の節句」は「桃の節句」とも呼ばれ、これは女の子の健康と成長を祝う日です。
一方、「端午の節句」は「菖蒲の節句」として知られ、男の子の健康と成長を願って祝われます。
これらの節句は、それぞれの子が生まれてから迎える最初の節句を「初節句」と呼び、男の子では「端午の節句」、女の子では「上巳の節句」がそれに当たります。
初節句のタイミングはいつ？
初節句は「生まれて初めて迎える節句」と定義され、生まれた年に迎えるか翌年に迎えるかが異なります。
生まれた年に初節句を迎える場合:
- 男の子: 5月5日が節句（端午の節句）であるため、1月1日から5月4日に生まれた男の子はその年に初節句を迎えます。
- 女の子: 3月3日が節句（桃の節句）であるため、1月1日から3月2日に生まれた女の子はその年に初節句を迎えます。
生まれた翌年に初節句を迎える場合:
- 男の子: 5月5日以降に生まれた場合、翌年に初節句を迎えます。
- 女の子: 3月3日以降に生まれた場合、翌年に初節句を迎えます。
迎えるタイミングの理由としては、お正月を迎えた後に初節句を行うこと、子どもがまだ小さいために生後3か月を過ぎてから行うこと、お宮参りを先に行い、神様への礼儀としてその後に初節句を行うことが挙げられます。
お宮参り（または初宮参り、初宮詣）は、生後一か月を無事に迎えたことを神様に感謝し報告する行事です。
初節句の実施時期はご家庭や地域により異なるため、事前に確認することが推奨されます。
男の子の初節句の祝い方とその日付
男の子の初節句は、生まれた後の最初の端午の節句、つまり5月5日に行います。例えば、もし男の子が2025年6月1日に生まれた場合、その初節句は翌2026年の5月5日になります。
初節句の祝い方と飾り物
この特別な日には、五月人形やこいのぼりを飾って男の子の健康と強さを祝います。五月人形には兜や鎧、弓と太刀、張子の虎、金太郎などがあり、これらは男の子が強く賢く成長することを願うとともに、災いから守る力があるとされています。こいのぼりは、子供の成長と健康を願って空高く泳ぐ姿が飾られます。
多くの場合、祖父母がこれらの飾りを贈る伝統がありますが、どちらの家の祖父母が贈るかは家庭によって異なります。
初節句のお祝い食べ物
初節句のお祝いには特別な食べ物も用意されます。これには、ちまきや柏餅を始め、成長を願う筍や立身出世を象徴するスズキやブリなどの出世魚、勝利を願ってカツオが含まれます。これらの食べ物は、子供の健やかな成長と成功を祈るために選ばれます。
女の子の初節句のタイミングとお祝いの方法
女の子の初節句は、生まれて初めて迎える3月3日の上巳の節句に行います。たとえば、2025年3月20日に生まれた女の子は、翌年の2026年3月3日に初節句を迎えます。
女の子の初節句のお祝い
初節句での主な祝い方として、ひな人形を飾る風習があります。このひな人形は女の子の健康と幸福を祈るため、また不幸を避けるための身代わりとしての役割も担います。通常、祖父母が孫の誕生を祝ってひな人形を贈ることが一般的です。
ひな人形の贈り主
かつては嫁いだ娘がなかなか実家に帰れないため、母方の祖父母がひな人形を購入し、娘の家へ持って行くのが普通でした。現代では、贈るのが父方の祖父母か母方の祖父母かは家庭によって異なります。
初節句のお祝い食べ物
女の子の初節句には、ちらし寿司、ハマグリのお吸い物、ひなあられ、菱餅、白酒などの特別な食べ物を用意し、この日のお祝いを豊かに彩ります。これらの食べ物は、春の訪れを祝い、女の子の将来の幸せと成功を願って供されます。
初節句のお祝いについて
初節句は、赤ちゃんの生まれて初めての大切な節目であり、家族だけでなく祖父母や親戚も集まって祝う機会が多いです。お祝いの形は家庭によって様々で、特に定められた形式はありませんが、多くの場合、食事会が行われます。
お祝いの方法と場所
家族が集まって五月人形やひな人形が飾られた部屋で食事を楽しんだり、レストランや料亭で豪華な食事会を開催することもあります。また、地域や親しい人を招いて、家庭外でのお祝いを行うこともあります。そのため、初節句をどのように祝うかは、その家庭の伝統や地域の習慣によって異なることが一般的です。
初節句の意義と習慣
初節句は、赤ちゃんが無事に生まれ、成長を願う非常に意味深い日です。この日は、家族が赤ちゃんの健康と幸福を願って集まります。また、初節句の記念に写真を撮影することで、子どもの成長を毎年振り返る素晴らしい機会となります。これにより、家族の大切な思い出が年々蓄積されていきます。
