「もとより」という表現は、「言うまでもない」という意味を持ちます。
多くの場合、文書やフォーマルな場で使用される言葉で、その正確な使用法を把握していない人も少なくありません。
本記事では、「もとより」の意味と適切な使い方、またその他の表現方法について、具体的な例文とともに詳しく説明します。
「もとより」が示すのは『初めから』『当然である』
【「もとより」の意味解説】
「初めから」や「当然である」という意味を持つ表現。自明の事実を指摘する際に用いられます。
語源としては、「もと」という言葉に由来し、時間や状態の起点を示す助詞「より」が組み合わさって形成されています。
「もとより」には以下の意味が含まれます:
- 始めから存在する状態
- 言うまでもないほど明白であること
- 既に知られている事実
これらの意味合いを持つ「もとより」は、強調や確認のニュアンスで使われることが多いです。
「もとより」の効果的な使用方法と例文解説
「もとより」は、文章や話し言葉で、事実や状況の既知の範囲を強調するために使われます。
適切な使用で、説明がより明確になり、相手に失礼な印象を与えることなく情報を伝えることが可能です。
以下にその例を挙げて説明します。
例文①
このアニメは、もとより日本だけでなく海外でも高い人気を誇ります。
例文②
当社は、お客様をもとより、すべてのステークホルダーに価値を提供することを目指しています。
例文③
もとより期待していなかったので、このような結果にも冷静に受け止めることができました。
例文④
友達はもとより、恋人も私にとって非常に重要です。
例文⑤
彼は英語が流暢で、もとより中国語も堪能です。
【「もとより」を使う際の留意点】
この表現は「初めから」と「当然」というニュアンスで使われることが多く、主に書き言葉や正式な発言での使用が推奨されます。
「もとより」の同義語とその使用例
「もとより」に類似する意味を持つ言葉は4つあります。
これらの語彙を使い分けることで、より豊かな表現が可能になり、相手とのコミュニケーションが改善されます。
以下に、各類義語の意味と使用例を示します。
- 当然:あたりまえであること、自然なこと。理にかなっているさま。
- 例:この試合は、勝つのが当然だ。
- 元々:本来の状態。初めから存在すること。
- 例:私は元々海外で生活したいと思っていました。
- そもそも:事の起こりや理由。初めから考えるというニュアンス。
- 例:そもそもその計画は始めから不十分だった。
- はじめに:最初の部分。最初に行うべきこと。
- 例:はじめに、プロジェクトの概要をご説明します。
これらの言葉は、状況や文脈に応じて「もとより」と交換可能で、文章や会話の質を高めるのに役立ちます。
「もとより」と「もちろん」の使い分け
「もとより」と「もちろん」は類似しているものの、使用される文脈には微妙な違いがあります。
「もとより」は「初めから」「元々」という意味で、何かが当初からその状態であることを示します。対して、「もちろん」は「言うまでもなく」という意味を持ち、自明の事実を強調する際に用いられます。
「もちろん」は口語的で、日常会話でよく使われる表現です。
一方、「もとより」はやや堅い文脈で、書き言葉や正式なスピーチで見られることが多いです。
英語で「もとより」は『of course』
「もとより」は英語で『of course』と表現されることが多いです。
of courseの意味:
- もちろん、言うまでもなく
- 当然ながら
この表現は、自明の事実や同意を求める際に使われるフレーズで、日常英会話でも頻繁に用いられます。
「もとより」の対義語は?
英語にも存在しないため、その場の文脈に応じて異なる表現を選ぶ必要があります。