葉月にまつわる他の呼び名とその背景!
「葉月」という名前は、夏を思わせる魅力的な月の呼び方です。
しかし、実際には一般的に思い浮かべるそのイメージとは異なる、意外な意味や由来が存在します。
この記事では、葉月の意味と由来について深掘りし、さらに葉月とは異なる別名や異称を探求します。
また、夏をより豊かに楽しむための伝統的な習慣や行事についても紹介します。
葉月の時期と読み方について
葉月とは、和風月名で8月のことを指します。
この呼称は、旧暦に基づいて季節や行事にちなんで名付けられた月の名前です。
日本では古くから、1月や2月などの通常の月数え方とは別に、睦月や如月など、月に独自の別名を付ける文化があります。その中の一つが「葉月」、読み方は「はづき」です。
また、葉月という名前は、その和風の響きから女の子の名前としても人気があります。
しかし、葉月を選ぶ際は注意が必要です。
多くの人が持つ、夏に葉っぱが茂るイメージと異なり、葉月には想像とは違う意味や由来が存在するためです。
葉月の本来の意味
葉月という言葉には、一般的に夏の盛りであり、木々が青々と茂る元気で健康的なイメージがあります。
しかし、この認識には注意が必要です。葉月とは、本来、旧暦の季節を表す言葉であり、その意味するところは現在のカレンダーとは異なる点があります。
旧暦は太陽太陰暦を基にしており、現代の太陽暦よりも約一ヶ月から一ヶ月半程度季節が前倒しです。
したがって、現代の8月を葉月と呼んでいる場合、実際には旧暦では9月から10月に相当し、「葉落ち月」を意味するとも言われています。これは葉が落ち始める時期を示唆しています。
旧暦では、例えば8月7日頃には既に立秋を迎えており、季節は秋へと移り変わっています。葉月という和風月名を名前に使用する場合は、このような背景を理解した上で選ぶことが望ましいでしょう。
もちろん、名前は個人の願いや意味を込めて自由に名付けられるものですので、「太陽のように輝く葉」といったイメージで名付けるのも一つの素敵な選択肢です。
葉月の由来について
葉月という言葉にはいくつかの興味深い由来があります。
穂張り月の由来 一つの説は、旧暦の葉月が稲穂が実り始める時期にあたることから、「穂張り月」と呼ばれていたというものです。これが時代と共に「はづき」へと変わったとされています。
初雁月の由来 もう一つの説は、この時期に北から渡ってくる雁を最初に目撃する月として、「初雁月」や「初来月」と呼ばれ、それがやがて「はづき」へと変化したとされます。
葉落ち月の由来 また、葉月が「葉落ち月」とも呼ばれるのは、旧暦のこの時期が実際には秋にあたり、葉が落ち始める季節であることからです。
このため、葉月は夏ではなく秋の月としてのイメージが強いです。
面白い説:南風月
さらに、「南風月」という説も存在します。
この名前は、南から吹く風にちなんでおり、温暖な気候を思わせるため夏を連想させますが、実際には台風が頻繁に発生する季節であることから名付けられたと言われています。
この説によれば、葉月は台風の多い時期を指すため、「はえづき」と読まれることもあります。
これらの説を知ると、現代の8月と旧暦の葉月が一致しない感覚に納得がいくかもしれません。葉月の由来は、その季節感や自然の変化に深く根ざしていることがわかります。
葉月の異名とその由来
葉月は日本の旧暦で夏の終わりから秋にかけての期間を指し、多くの異名や別称が存在します。ここではその中からいくつかをピックアップして紹介します。
- 燕去月(つばめさりづき):この名前は、燕が南へ渡る季節であることから名付けられました。
- 秋風月(あきかぜつき):秋風が感じられる時期であることからこの名前が付けられています。
- 盛秋(せいしゅう):秋が深まる様子を表す言葉です。
- 清秋(せいしゅう):秋の澄んだ空気を表す言葉として用いられています。
- 紅染月(こうそめつき):木々の葉が紅に染まる時期を指し、秋の深まりを象徴しています。
- 壮月(そうげつ):まだ自然が生い茂る夏の名残を表す言葉としても知られています。
葉月は、季節の変わり目を感じさせる繊細な時期を捉えた、情緒豊かな月の呼称です。
葉月の習慣と風習
葉月には様々な習慣がありますが、特に八朔(はっさく)が重要な行事の一つです。
八朔は旧暦の八月一日を指し、新月の日を新たな月の始まりとしていました。
この期間は稲の実りの重要な時期であり、同時に台風が多いため、作物の無事を祈り、お世話になった人々への感謝の気持ちを込めて農作物を贈る風習があります。
この習慣は、共同体の結束を強化し、互いに支援し合うための重要な社会的機能を果たしていました。また、果物の「はっさく」もこの時期にちなんで名付けられたとされていますが、その実際の旬は春先です。
これらの伝統は、日本の豊かな自然と深い文化的背景を反映しています。
葉月の主要な行事としてのお盆
葉月、日本の旧暦で8月を指し、この時期の代表的な行事にお盆があります。
お盆の基本情報
お盆は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」とも呼ばれ、故人の霊がこの世に帰ってくるとされる期間です。この期間には以下のような風習があります。
- 盆の入り(13日): 家族は迎え火を焚いて先祖の霊を迎え入れます。
- 盆の送り(16日): 先祖の霊をあの世へ送り返すため送り火を焚きます。
地域による実施時期
旧暦の7月13日から16日が基本ですが、多くの地域で新暦の8月に行われることが多いです。例えば、徳島の阿波踊りは毎年8月12日から15日に開催されることで知られています。
まとめ
葉月は、一見すると夏のイメージが強いですが、実際には秋の始まりを象徴する月です。お盆をはじめとする行事は、その文化的背景と共に古来からの日本の風景を色濃く反映しています。和風月名はそれぞれ独自の意味や由来を持ち、深く知ることで日本の四季の移り変わりをより豊かに感じることができます。興味のある方は、和風月名に関する他の記事も参照すると良いでしょう。