多くの人が、特に財務文書や決算書における大きな金額の扱いに不安を感じることがあります。
これは、「千円単位」「百万円単位」といった特殊な記載形式が使われるため、一層の混乱を招く原因となっています。
では、これらの数字は具体的にどのように読むべきなのでしょうか？
さらに、これらをスムーズに読むためのコツについても紹介します。
この記事では、「千円」「百万円」などの金額単位の読み方や、なぜこのような表記が用いられるのか、そして読みやすくするコツについて詳しく解説しています。
この情報を参考にして、金額の読み方をマスターしましょう。
決算書の記載単位の選び方
決算書においては、企業の規模に応じて「千円単位」または「百万円単位」で記載することが一般的です。
「千円単位」は主に中小企業で採用されており、例として「（単位：千円）2,000」と記載された場合、これは「2,000千円」と読み、実際には「2,000,000円（二百万円）」と理解します。
対照的に、「百万円単位」は大規模な企業の決算書で頻繁に使用されます。
この場合、「（単位：百万円）2,000」と示されると、「2,000百万円」と読み、これが「2,000,000,000円（二十億円）」を意味します。
特に、決算短信においては、どの企業も標準的に百万円単位での報告が求められます。
「千円」「百万円」単位の採用理由
決算書で「千円」や「百万円」の単位が使用される主な理由は、法務省令に基づく規定に従うためです。
「会社計算規則」の第57条には、計算に関連する書類に記載される金額は「一円単位、千円単位または百万円単位で表示する」と明記されています。
特に、決算書の金額が大規模になる場合、細かい一円単位での表示ではなく、より大きな単位である千円単位や百万円単位が選ばれることが一般的です。
この「千円」「百万円」という3桁ごとの区切りは、英語での表記（Thousand、Million）に由来するもので、国際的なビジネスの場においてもこの区切り方が標準とされています。
このように3桁ごとに区切る習慣が採用されているのは、世界的なビジネスの標準に沿っているためです。
決算書の単位の読み方のコツ
決算書の単位は慣れていないと読みづらいものですが、素早く理解するための方法があります。
それは、「,（カンマ）」を意識することです。
カンマは通常3桁ごとに配置されるため、この区切りを利用すると数字の大きさが直感的に把握しやすくなります。
カンマの数で金額の単位を覚えることができます。
カンマが1つなら「千」、2つで「百万」、3つで「十億」、4つで「兆」という風に認識します。
例えば、「1,000千円」はカンマが1つなので「千」を表し、実際には「百万円」に相当します。
また、「1,000,000千円」で「十億円」、「1,000,000,000千円」で「一兆円」となります。
百万円単位の読み方も同じです。
「1,000百万円」はカンマ3つで「十億円」を、「1,000,000百万円」は「一兆円」を表しています。
このようにカンマの数を意識するだけで、大きな数字の読み方が格段に理解しやすくなります。
決算書などで意識しながら数字を読み解いていきましょう。
