「地球の未来をどう描くか？」そんな問いに、世界各国がそれぞれの答えを持ち寄るのが2025年に開催される大阪・関西万博です。特に注目を集めているのが、各国の個性と最先端技術が詰まった“海外パビリオン”。この記事では、なかでも特に話題となっているフランス、アメリカ、UAE、インドの4つのパビリオンにスポットを当て、その魅力を徹底解説します。これを読めば、現地でどこを巡るべきかが一目瞭然！未来を感じ、世界を旅する準備を、今から始めましょう。
世界を巡るパビリオンの魅力
大阪万博2025のテーマは「Designing Future Society for Our Lives（人々の暮らしをデザインする未来社会）」であり、特に「Saving Lives（命を守る）」「Empowering Lives（力を与える）」「Connecting Lives（つながる命）」という3つの柱に沿った展示が展開されます。この中で海外パビリオンは、自国の文化や技術を紹介しながら、世界各地の人々と共に未来の社会像を考えるうえで重要な役割を担っています。
各国が示す「技術×文化」の融合展示とは？
例えば、フランス館は循環型建築や環境配慮型設計を採用した展示を展開中。80％のエネルギー自給自足を目指し、太陽光発電や室内空気清浄システムを導入、自国の企業技術を公開しています 。これは、アートとサステナブルテクノロジーを組み合わせ、「美しく、暮らしに根ざす未来都市」を来場者に体感させるものです。
インタラクティブ体験で得られる直接体感
さらに多くの国がVRやAR、センサー技術などを導入し、五感に訴える体験型展示を展開。米国館では「宇宙×AI」の世界をVRで体験したり、センサーが反応するインタラクティブアートが楽しめます。これにより、見て聞くだけでなく、実際に”自分が参加する感覚”を味わいながら学べます。
子どもから大人まで楽しめる工夫
子ども向けにはワークショップ形式の体験も多数。たとえば、米国館ではロボット教室、フランス館では気候変動について学ぶセミナーが定期的に開催されています。展示内容は、STEM教育や環境教育に対応しており、将来を担う若い世代にも大変役立つ構成です 。
SNS映え必至のフォトスポット
モダンな建築デザインを背景としたフォトスポットも充実。アメリカ館の「浮遊するキューブ」やフランス館の「動くファサード」などは、来場者が写真を撮りたくなる演出が随所に散りばめられています 。
フランス館：エコと美意識が融合した未来都市
2025年の大阪・関西万博に登場するフランス館は、環境への配慮と芸術的な美しさを兼ね備えた未来都市の縮図ともいえる展示空間です。パビリオン全体が「共生する都市」「再生する社会」をテーマに、建築デザインから展示内容までが一貫したメッセージを発信しています。
サステナビリティとアートの共演
フランス館は、再生素材を多用し建てられ、万博終了後には解体して他のプロジェクトへ再利用できる設計になっています。建築にアートを融合させたこのデザインは、「美と機能の両立」というフランスらしい美学を感じさせます。壁面に植物をあしらったグリーンアーキテクチャは、来場者に自然と調和する都市生活を想像させる仕掛けです。
フランス流ガーデン＆都市デザイン
内部展示では、フランス伝統の庭園文化と最先端の都市開発が融合。仮想都市を模した展示空間では、都市部にも自然を取り入れた「グリーンインフラ」のあり方を紹介。来場者は歩きながら、まるで植物に囲まれた未来都市を散策しているかのような気分を味わえます。
ミシュラン級の試食＆体験コーナー
見逃せないのが、フランス食文化をテーマにした体験コーナー。地元食材を用いた本格フレンチの試食や、環境にやさしいオーガニックフードの展示など、五感で楽しむコーナーが充実しています。フードロス削減や持続可能な食の提案も行われ、単なる食の紹介にとどまらない深い学びが得られます。
ARで歩く花と緑の未来空間
AR技術を使い、来場者はタブレットやスマホを通じて仮想の都市空間を体験できます。ARに映し出されるのは、フランスが提案する2050年の都市生活。人々が緑に囲まれて生活し、自然エネルギーで賄う暮らしの様子が、まるで現実のように感じられます。
娯楽×学びの両立演出
環境問題という堅苦しいテーマを、遊びながら学べるように工夫されているのもフランス館の魅力。参加型のクイズやゲーム、体を動かしながら学べるインスタレーションがあり、子どもたちも飽きることなく楽しめます。展示は一方的な情報提供ではなく、来場者が自ら考え、感じ取ることを促すスタイルです。
アメリカ館：宇宙×AIがつなぐ次世代の毎日
2025年大阪万博に登場するアメリカ館は、まさに“未来”そのものを体感できる空間です。テーマは「共に描く、つながる未来」。宇宙開発、AI、ロボティクスなど、米国が世界に誇る最先端技術を、来場者が五感で体験できる形で紹介しています。
NASA監修の臨場感あふれる宇宙体験
アメリカ館の目玉の一つは、NASAが監修した宇宙探査体験ゾーンです。巨大なスクリーンと立体音響、振動床を用いた臨場感あふれるシミュレーションでは、宇宙飛行士の視点で火星への旅を体験できます。また、宇宙ステーションの内部構造も再現され、子どもから大人までわくわくする展示内容になっています。
ChatGPTなど最先端AIガイドとの対話
アメリカ館では、来場者がAIアバターと会話しながら館内をめぐることができます。対話型AI（例：ChatGPT）を活用し、質問にリアルタイムで答えるナビゲーション体験を提供。これは「テクノロジーとの共存社会」を身近に感じることができる絶好の機会です。英語だけでなく、日本語にも対応しているため、言語の壁を感じることはありません。
宇宙食を味わうフードラボ
宇宙食といえば無機質なイメージがありますが、アメリカ館では最新の食技術を取り入れた「おいしい宇宙食」が登場。植物由来の成分を使ったフードや、将来の宇宙ミッションに向けて開発中の3Dプリンターメニューなど、まさに“未来の食”を体験できます。
ロボットによるエンタメ体験
館内には最新のロボティクス技術を搭載したエンタメロボットも登場。来場者と一緒に踊ったり、対話を楽しんだりするだけでなく、日常生活でどのようにAIが役立つかを実演するプレゼンテーションも行われます。人型ロボットの動作は非常に滑らかで、「人と機械の共生社会」を予感させるリアルな体験ができます。
STEM教育に触れるワークショップ
アメリカが力を入れているSTEM（科学・技術・工学・数学）教育に関連したコーナーもあり、子どもたちが楽しく学べるワークショップが随時開催されます。宇宙飛行士訓練プログラムのミニ版や、簡単なプログラミング体験など、将来の夢を広げる貴重な機会となるはずです。
UAE館：砂漠の知恵から学ぶ持続可能な未来
アラブ首長国連邦（UAE）が誇る未来都市のモデル「マスダール・シティ」をテーマにしたUAE館は、持続可能なエネルギーや循環型社会の実現を目指した先進的な展示で注目を集めています。砂漠の過酷な環境下で磨かれたテクノロジーが、未来の都市生活にどのように活かされるのかを体感できる貴重な場です。
マスダールシティ再現モデル展示
UAE館の中心展示は、「世界初のゼロカーボン都市」として設計されたマスダール・シティの再現模型です。来場者はその都市を模したエリアを歩きながら、持続可能な生活がどう実現されているのかを視覚的に理解できます。電力は太陽光発電、交通は自動運転EV、建物は自然換気による冷却など、至る所に最先端の工夫が凝らされています。
ソーラーや水リサイクル技術の実演
UAE館では、砂漠の地で開発された高効率なソーラーシステムや水リサイクル技術を、実演付きで紹介しています。特に注目なのは、湿度の低い気候でも空気中から水を生成する装置「アトモスウォーター」。これは水不足問題を解決する画期的な技術として、世界中から高い評価を受けています。
伝統と最先端テクノロジーの調和
展示では、アラブ文化に根ざした建築様式や生活スタイルと、最新技術との融合が印象的に表現されています。たとえば、アラビアン建築の風塔「バラジール」を再現しつつ、そこにIoTセンサーを組み込んでエネルギー効率を最適化するといった取り組みが紹介されています。
グリーン建築に触れるVR体験
仮想現実（VR）を使った都市体験では、来場者がマスダール・シティを上空から俯瞰したり、居住区の内部を歩き回ったりすることができます。未来の住まいがどのようにデザインされるのか、そしてそれが環境にどう配慮しているのかを、リアルに感じ取ることができます。
中東の未来都市からの学び
UAE館は単なる技術展示にとどまらず、「豊かさ」と「環境配慮」の両立がいかに実現可能かを来場者に問いかけます。過酷な自然条件の中で生まれた技術や知恵は、日本を含む他国の都市づくりにも多くのヒントを与えてくれます。
インド館：伝統×テクノロジーが織りなす五感体験
インド館は、古代文明の叡智と最新技術の融合をテーマに据えた、文化的かつ未来志向な展示が特徴です。「One Earth, One Family, One Future（ひとつの地球、ひとつの家族、ひとつの未来）」というスローガンのもと、心と体、社会とテクノロジーを調和させる独自の世界観が広がっています。
アーユルヴェーダ×最新医療技術の融合
インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」は、数千年にわたり人々の健康を支えてきた知恵です。インド館では、この自然療法と現代のAI診断・再生医療技術を融合させた展示が目玉のひとつ。来場者は自分の体質を分析する体験コーナーで、アーユルヴェーダ的健康法をバーチャルで学ぶことができます。
インド古代都市のVRツアー
インダス文明をはじめとするインド古代都市を、VRで巡る没入型展示も人気です。広大な遺跡や神殿、天文学に基づいた都市設計の様子を、360度映像でリアルに体験できます。科学と宗教、生活と自然が一体となった当時の人々の暮らしは、現代の持続可能な社会に通じる多くのヒントを与えてくれます。
香りで巡るスパイスフード体験
インドといえばスパイス。その多様さと奥深さを、嗅覚と味覚で楽しむコーナーも見逃せません。香辛料の香りをかぎ分けながら、それが持つ薬効や使い方を学ぶ展示のほか、実際にスパイスを使った軽食を試食するブースもあります。味覚だけでなく健康意識も高まる体験です。
ARと舞踊で楽しむ伝統芸能
AR（拡張現実）を活用した展示では、インドの伝統舞踊や祭りの様子をバーチャル空間で鑑賞できます。来場者は自分の動きに合わせてダンサーと一緒に踊ったり、色鮮やかな映像の中に入り込んだりするなど、まるで本場の祭典に参加しているかのような感覚が味わえます。
インドITが語る新しい働き方
最後に紹介されるのは、世界をリードするインドのIT技術。AI開発やリモートワークを支えるクラウドインフラ、ブロックチェーンによる教育管理など、「仕事の未来」を描く展示が並びます。特に注目されるのは、地方にいながら世界中で活躍するインド人エンジニアたちのライフスタイル紹介で、多くの来場者にインスピレーションを与えます。
まとめ
2025年の大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」という大テーマのもと、世界各国がそれぞれの技術や文化、そして未来へのビジョンを持ち寄る壮大な国際イベントです。その中でも、海外パビリオンは異文化交流の最前線であり、来場者にとって未知の世界との出会いの場となります。
フランス館では、美とエコが調和した都市の在り方を、アメリカ館では宇宙とAIの融合による未来社会を、UAE館では砂漠という厳しい環境から導き出された持続可能な都市技術を、そしてインド館では伝統とテクノロジーの融合がもたらす五感の体験を通じて、それぞれの国の独自性を楽しむことができます。
この万博は、単なる「展示を見て終わり」ではなく、未来の暮らしや社会を共に考えるきっかけとなる、価値ある体験の場です。あなたも世界を旅するように、各国パビリオンを巡ってみませんか？
