「年度」「年次」「年時」の相違点

類語・表現・意味

職場や学校などで頻繁に使用される「年度」「年次」などの言葉について、その微妙な意味の違いを正確に説明できる人は案外少ないかもしれません。

これらの言葉の違いを理解し、適切に使い分けることが大切です。

ここでは、「年度」「年次」「年時」という3つの用語の意味の相違点について詳しく解説します。

 

年度とは

「年度」は、1年間を特定の期間で区切ったものを指し、読み方は「ねんど」です。

「度」の字が年や月などの区切りを示しています。

具体的には、「暦年(1年間)とは異なり、行政や会計などの便宜上で設定された1年間」という意味です。

「年度」が指す期間は固定ではなく、1月から始まる場合もあれば、4月から始まる場合もあります。

例えば、日本の会計年度は4月1日から翌年3月31日までであり、多くの企業もこれに準じて事業年度を設定しています。

「年次」や「年時」との違いを次に見てみましょう。

 

年次とは

「年次」には主に2つの意味があります。

1つ目は「1年ごとに順を追うこと」で、2つ目は「年齢の順、長幼の序」です。

前者の意味では、「年次予算」や「年次計画」のように使用され、「毎年」と同義で使われます。

「年度」との違いは、「年度」が「特定の区切りとなる1年間」を指すのに対し、「年次」が「1年ごとの期間」を意味する点にあります。

後者の意味では、学校や企業での使用が一般的で、「卒業年次」「入社年次」などとして使われます。

 

年時とは

「年時」は、「としつき」や「そのことが行われた年、月」を意味し、読み方は「ねんじ」です。

「年次」と発音は同じですが、意味合いには微妙な違いがあります。

「年次」が「年齢の順番」などを示すのに対し、「年時」は「その時の学年や年月」を指します。

言い換えれば、「年次」が公的な文脈で使用されるのに対し、「年時」はより個人的な文脈で使われることが多いです。

たとえば、「大学3年次」は大学の制度上の3年目を意味しますが、「大学4年時」は個人的な回想などで「大学4年の時」という意味になります。

頻繁に使われるそれぞれの言葉。定義によっては意図していないことを示してしまうこともあります。

これらの違いを確認して適切なコミュニケーションを図っていきましょう。

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