記事では、「共に」と「ともに」の表記と使用上の違いについて詳しく解説しています。この二つの表現は同じ読み方をされますが、使われ方には微妙な違いがあります。
【例】⇒「両親と共に過ごす休日」「新しい生活をともにスタートする」
さらに、「供に」という表記も見られることがありますが、これは一般的にはあまり使われなくなっています。
公用文におけるこれらの表現の使い分けについても言及しています。通常、「ともに」は行動や状態の共有を示すのに使われ、より文学的または公式な文書では「共に」が適していることが多いです。
この記事を通して、読者が「共に」と「ともに」の適切な使用方法を理解し、公用文を含む様々な文脈で正しく使用できるようになることが目指されています。
「共に」と「ともに」の使い方と文脈
「共に」と「ともに」はどちらも同じ読み方をしますが、使用する文脈によって意味が異なることがあります。
【共に】 漢字で書かれた「共に」は、一般的に「一緒に」または「共通していること」を意味します。これには、具体的な行動をともに行う場合や、共通の特性を指す場合が含まれます。
【ともに】 ひらがなで書かれる「ともに」は、「一緒に」または「同時に」といった意味で用いられます。また、この形式は、ある事象が別の事象と共に起こるさまを指す場合にも使用されます。
【例文】
- 「父と共に市場へ行く」
- 「雨が降り始め、ともに風も強くなった」
さらに、辞書には「共に」が持つ他の意味として、共通性や同類性を指す用法も記載されています。たとえば、「共働き」「共生」といった用法があります。
公用文での使用においては、どちらの表記も適切ですが、より公式な文脈では漢字の「共に」を使用することが推奨される場合もあります。
この解説をもとに、文脈に応じて「共に」と「ともに」を適切に使い分けることができれば、より正確な日本語表現が可能になります。
公用文での「共に」と「ともに」の使い方
公用文では「共に」と「ともに」の使い分けが特に重要です。この使い分けについては、内閣府発行の『公用文における漢字使用等について』に明確な指示があります。
文書内では、以下のように説明されています:
- 「共に」は漢字を使用し、主に物事が一緒に行われることを示す際に使用します。例として「共倒れ」「共に」といった用法があります。
- 「ともに」はひらがなで書き、同時に何かが起こる状況を示す場合に用いられます。例えば、「今後とも」「両方とも」といった表現がこれに該当します。
『公用文における漢字使用等について』からの抜粋では、次のような事項に留意するよう求められています:
- 特定の語句を用いる際は原則として仮名を使用する。
- 「とも」は「とともに」という形で使用する際は、ひらがなで書くことが推奨されています。
さらに、文部科学省の新訂公用文の書き表し方の基準では、「共」や「とも」の用法についても言及しており、文脈に応じて漢字またはひらがなを選択するよう指導しています。
以上のガイドラインに基づいて、公用文では「共に」か「ともに」かを適切に選択し、それぞれの文脈に適した表記を心掛けることが求められます。これにより、公式文書における表現の正確性が保たれます。
「供に」の表記と意味解説
「供に」という表記は、「共に」と同じ読み方をしますが、これは「共に」の当て字として使用されることがあります。「当て字」とは、本来の漢字の意味を外れて使用される文字のことを指します。
そのため、「供」という漢字に特別な意味があるわけではありません。
「供に」の使用は、人偏を含むため、一緒にいる状況を強調する表現として見られることがあります。しかし、実際には「供に」を使用する必要性は低く、「共に」の表記が一般的です。
同様に、「子供」という言葉も「子ども」と表記することが推奨されています。これは「子供」と書くと「子を供える」と誤解される恐れがあるためです。
結局のところ、「供に」という表記には特別な場を与えるべき理由はなく、普段の表記には「共に」を使用するのが適切であると言えます。
「共に」と「ともに」の使い方のまとめ
本記事では、「共に」と「ともに」の使い方について詳しく解説しています。
これらの語は、①一緒に行動する場面や②何かが別の事象と同時に起こる場面で使用されます。
使用において、一般的な文書では漢字とひらがなどちらの表記も可能ですが、公用文では用途により異なる表記が推奨されます。「共に」は主に「一緒に」を意味し、「ともに」は「同時に」を意味する場合にひらがなで書かれることが多いです。また、名詞の後ろにくる場合は、ひらがな表記が一般的です。
さらに、「供に」という表記は「共に」と同様の意味で使われることがありますが、これは「共に」の当て字として使用されるもので、一般的な文脈では使用されることが少なくなっています。このため、「供に」が適用可能な場面では「共に」を使用することが推奨されます。
「共に」と「ともに」に明確な意味の違いはありませんが、文脈や文書の種類に応じて適切な表記を選ぶことが大切です。特に公用文では、定められたルールに従うことが重要とされています。