新しい職場に入って最初に戸惑うのが、会話やチャットで飛び交う「MTG」「NR」「FYI」などの略語ではないでしょうか。
何気なく使われるこれらの言葉も、意味を知らないと仕事の流れについていけなくなってしまいます。
この記事では、ビジネスシーンで頻出する社内略語の意味と使い方を、初心者でもすぐに理解できるように整理しました。
MTG（ミーティング）やNR（ノーリターン）といった実用的な略語から、KPI・PDCAなどの専門用語まで完全網羅。
「聞きづらいけど知りたい」をテーマに、あなたの“略語ストレス”をゼロにする社内略語ガイドです。
そもそも「社内略語」とは何か？
社内で飛び交う「MTG」や「NR」などの略語、最初は意味が分からず戸惑いますよね。
この章では、そもそも社内略語とは何か、なぜこれほど多く使われているのかを分かりやすく解説します。
なぜ会社では略語が多いのか？
会社で略語が多い理由は、主にコミュニケーションの効率化のためです。
会話やチャットのやり取りを短く済ませるために、自然と言葉を省略する文化が生まれました。
たとえば「ミーティング」は「MTG」、「ノーリターン」は「NR」と短く言うことで、タイピングや口頭でのやり取りがスムーズになります。
ただし、これは新人にとっては“専門用語”のように感じる壁でもあります。
特に部署によって略語の使い方が違う場合も多く、慣れるまで混乱することもあります。
| 略語 | 正式な言葉 | 使用シーン |
|---|---|---|
| MTG | ミーティング | 会議、打ち合わせ |
| NR | ノーリターン（直帰） | 外出後、会社に戻らない時 |
| FYI | For Your Information | 参考情報の共有 |
このように略語は、職場のスピード感や文化を反映しています。
略語を理解することは、職場の言語を学ぶことでもあるのです。
社内略語の基本的な種類と使われ方
社内略語には、大きく分けて3つのタイプがあります。
- 和製略語型：「アポ（アポイントメント）」「リスケ（リスケジュール）」など。
- 英語略語型：「KPI」「FYI」「ASAP」など、英語の頭文字を使うタイプ。
- 社内ローカル型：部署やチーム独自で作られた略語。
特に注意が必要なのはローカル型の略語です。
会社ごとに意味が異なることもあり、他部署や他社では通じないこともあります。
| タイプ | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 和製略語 | アポ、リスケ | 日本企業全般で通じやすい |
| 英語略語 | ASAP、KPI | 外資系やIT企業で多用される |
| ローカル略語 | NR、DR（直帰・直行） | 社内限定。新人が混乱しやすい |
略語の種類を意識して覚えると、意味を推測しやすくなります。
「略語を理解＝仕事の理解」という意識を持つことが、スムーズなコミュニケーションの第一歩です。
新人が最初につまずく略語10選【会話・チャット編】
この章では、新入社員が最初に戸惑う略語を中心に紹介します。
日常会話やチャット、メールなどでよく登場する略語をまとめ、意味と使い方をセットで覚えましょう。
「MTG」「NR」など、日常で飛び交う略語の意味
まずは最もよく使われる略語からです。
会話の中で何気なく出てくるこれらの言葉を理解しておくと、仕事の流れをスムーズに掴めます。
| 略語 | 正式な言葉 | 意味・使い方 |
|---|---|---|
| MTG | ミーティング | 「明日MTGしよう」＝明日打ち合わせしよう。 |
| NR | ノーリターン | 「今日はNRです」＝今日は直帰します。 |
| DR | ダイレクトリターン | 直行直帰の略。営業職でよく使う。 |
| BR | ブレイクルーム | 休憩スペース。Slackなどで使われる。 |
| DL | ダウンロード | 資料やファイルを取得すること。 |
特にMTGとNRは社内会話で頻出です。
「午後からMTGして、そのままNRで」と言われても、略語の意味を知らなければ理解できません。
ただ、覚えてしまえば非常に便利です。
「略語は社内共通言語」として使いこなす意識を持ちましょう。
「ASAP」「FYI」など、英語由来の略語が多い理由
近年、メールやチャットでは英語由来の略語が増えています。
背景には、グローバル企業文化や外資系ツールの普及があります。
以下は、特に若手社員が混乱しやすい代表的な略語です。
| 略語 | 意味 | 使い方 |
|---|---|---|
| ASAP | できるだけ早く | 「Please reply ASAP.」＝できるだけ早く返信してください。 |
| FYI | 参考までに | 「FYI, 資料共有します。」＝返信不要の共有。 |
| TBD | 未定 | 会議日時など、まだ決まっていない場合に使用。 |
| CC | メールの共有設定 | 関係者を共有に入れるときに使用。 |
略語の使い方は簡単でも、意味を理解しないまま使うと誤解を招くことがあります。
「ASAP」は丁寧に見えて実は少し圧が強い表現なので、上司に使うときは注意が必要です。
「意味＋ニュアンス」まで理解することが、略語マスターへの近道です。
資料や会議でよく出るビジネス略語【報告・分析編】
会議の資料や上司の報告書に登場する略語は、会話よりもさらに専門的な意味を持っています。
この章では、特に若手社員が最初に戸惑いやすい「数字」「戦略」「業務改善」に関する略語を整理して解説します。
「KPI」「PDCA」など、資料でよく見る略語
報告書やプレゼン資料に頻出する略語の多くは、業績や目標管理に関係するものです。
これらを理解すると、上司の説明が一気に分かりやすくなります。
| 略語 | 正式な言葉 | 意味・使われ方 |
|---|---|---|
| KPI | Key Performance Indicator | 重要業績評価指標。目標達成の進捗を数値で管理するための指標。 |
| PDCA | Plan / Do / Check / Act | 計画・実行・確認・改善のサイクルを表す基本フレーム。 |
| OKR | Objectives and Key Results | 目標と成果を明確にする管理手法。スタートアップ企業でもよく使われる。 |
| ROI | Return on Investment | 投資対効果。コストに対してどれだけの成果を上げたかを測る。 |
どれも似たように感じますが、目的の違いに注目すると理解しやすくなります。
| 略語 | 目的 |
|---|---|
| KPI | 目標の達成度を「測る」ため |
| PDCA | 仕事を「改善」するため |
| OKR | チームの方向性を「揃える」ため |
資料を読むときは「この略語はどの目的で使われているか？」を意識してみましょう。
そうすると、ただの英字の羅列ではなく、仕事の意味が見えてきます。
「ROI」「OJT」「BtoB」など、部署ごとの略語の違い
略語は部署によって意味や使われ方が異なります。
営業部・人事部・マーケティング部では、それぞれ独自の“略語文化”があります。
| 部署 | 略語 | 意味 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 営業部 | BtoB / BtoC | 取引相手が企業か個人かを区別する言葉。 | 法人営業か個人営業かを示す。 |
| 人事部 | OJT | On the Job Training | 実務を通じて教育を行う仕組み。 |
| 経営企画部 | ROI | 投資対効果 | プロジェクトの採算性を測る際に使われる。 |
同じ会社でも略語の使われ方が違うのは自然なことです。
「部署による文脈の違い」を意識して覚えると、実践での混乱を防げます。
略語は“意味”だけでなく“使われ方”で理解するのがポイントです。
社内略語を聞き逃さないコツと覚え方の工夫
社内略語を早く身につけるには、ただ丸暗記するよりも、実際の仕事の中で少しずつ“使いながら覚える”ことが大切です。
この章では、略語を効率的に覚えるためのコツや、混乱を防ぐメモ術を紹介します。
メモの取り方・略語リストの作り方
略語を聞いた瞬間にすぐ意味を理解するのは難しいものです。
そのために役立つのが「略語メモリスト」です。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① | 会議中やチャットで気になった略語をすぐメモする。 |
| ② | 終わった後に正式名称と意味を調べて追記する。 |
| ③ | 部署内の共通略語は別ページにまとめておく。 |
この方法を続けるだけで、略語の理解スピードは格段に上がります。
また、略語を使うたびに意味を思い出すことで定着が早まります。
“略語辞書”を自分の手で作る意識を持つと、自然にスキルアップにつながります。
略語を「意味＋使い方」で覚えるコツ
略語を覚えるときは、意味だけでなく実際の使い方をセットで覚えると効果的です。
たとえば「FYI」は「参考までに」という意味だけでなく、「返信不要」というニュアンスも含まれています。
| 略語 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| ASAP | できるだけ早く | “ASAPでお願いします”＝すぐに対応してください。 |
| FYI | 参考までに | “FYI, 添付資料ご確認ください。”＝返信不要。 |
| MTG | ミーティング | “明日MTG予定です。”＝打ち合わせ予定。 |
略語を“場面”で覚えると、自然に使いこなせるようになります。
また、略語を誰かに説明できるレベルになると、自分の理解も深まります。
「分からない略語をそのままにしない」姿勢が、ビジネススキルの伸びを左右します。
略語を理解する＝職場の“共通言語”を身につけるという意識を忘れずにいましょう。
注意が必要な略語と、使い方のマナー
略語は便利な一方で、使い方を間違えると誤解やトラブルを招くことがあります。
この章では、特に注意すべき略語の使い方や、社外・上司へのマナーを解説します。
社外メールでは使ってはいけない略語
社内で当たり前のように使っている略語も、社外では通じないケースがあります。
特に取引先やお客様へのメールでは、略語を避け、正式な言葉で書くのがマナーです。
| 略語 | 正式な言葉 | 社外メールでの適切表現 |
|---|---|---|
| MTG | ミーティング | 「打ち合わせ」または「会議」 |
| NR | ノーリターン | 「本日は直帰いたします」 |
| FYI | For Your Information | 「ご参考までにご共有いたします」 |
| ASAP | できるだけ早く | 「お急ぎでご対応いただけますと幸いです」 |
社外の人にとって略語は「何を言っているのか分からない」可能性があります。
ビジネスでは「伝わること」が最優先です。
“相手が理解できる表現を選ぶ”ことが、信頼を築く第一歩です。
伝わらない略語がトラブルを招くケース
略語の解釈が人によって違う場合、思わぬ誤解を生むこともあります。
たとえば「DR」という略語は、会社によって「ダイレクトリターン（直帰）」だったり、「デイリーレポート（日報）」を指すこともあります。
| 略語 | 会社Aでの意味 | 会社Bでの意味 |
|---|---|---|
| DR | ダイレクトリターン（直帰） | デイリーレポート（日報） |
| BR | ブレインストーミング | ブレイクルーム（休憩室） |
| PR | Public Relations（広報） | Promotion（販促） |
このような混乱を防ぐには、初めて聞いた略語は必ず「確認」する習慣を持つことです。
分かったふりをしない勇気が、社会人としての信頼を守ります。
略語の意味を確かめるときは、次のように柔らかく聞くのがおすすめです。
- 「すみません、“DR”はどちらの意味で使われていますか？」
- 「念のため確認ですが、“NR”は直帰のことですよね？」
相手も確認してくれる姿勢を前向きに受け取ってくれます。
「正確に伝えること」がビジネスマナーの基本だと覚えておきましょう。
まとめ｜社内略語を味方につけて仕事をスムーズに
ここまで、社内でよく使われる略語とその注意点を紹介してきました。
最後に、略語を上手に使いこなすためのポイントを整理して締めくくりましょう。
略語を理解すると仕事のスピードが変わる
略語を正しく理解すると、会話のスピードや資料の読解力が一気に上がります。
「MTG」「NR」「KPI」など、最初は難しく感じても、慣れれば自然に意味を推測できるようになります。
| 変化 | Before（略語が分からない） | After（略語を理解した） |
|---|---|---|
| 会話 | 意味を都度確認するので遅い | スムーズに内容を理解できる |
| 資料 | 略語が多くて理解しにくい | 全体の構造をすぐ把握できる |
| 自信 | 会議中に不安を感じる | 落ち着いて発言できる |
略語の理解は、仕事の「速度」と「質」を上げる鍵です。
特に新入社員のうちは、略語を知っているだけで周囲との会話がスムーズになります。
覚えるだけでなく「意味を考える姿勢」が大切
略語を単なる記号として覚えるのではなく、その背景にある目的や意図を理解する姿勢が大切です。
たとえば「KPI」は単なる数値目標ではなく、「チーム全体で達成したい方向性」を示しています。
略語を通して、会社の文化や考え方が見えてくることもあります。
略語は“会社の言語”であり、それを学ぶことは「組織を理解する」ことでもあります。
分からない言葉をそのままにせず、意味を考える習慣を持てば、確実に成長できます。
社内略語を味方につけて、あなたのコミュニケーションをよりスムーズにしていきましょう。
