「いづれ」と「いずれ」は同じ発音を持ち、意味も同じですが、なぜ異なる表記が存在するのでしょうか。この疑問を持つ人は少なくありません。
ここでは、これらの言葉の意味や違い、そしてどちらの表記が正しいのかについて掘り下げていきます。
「いづれ」とは
「いづれ」は不定称の指示代名詞で、「どちら」「どれ」といった意味を持ちます。
また、「近々」「いつか」という意味で副詞としても使われます。漢字では「何れ」と表記されます。
「いづれ」の表記は、歴史的仮名遣いにおいてよく見られ、古文書などで使用されていました。
例えば、「源氏物語」では「いづれの御時にか」という表現が登場します。
しかし、現代仮名遣いでは「いずれ」の表記が一般的となっており、「いづれ」はあまり使われなくなっています。
「いずれ」とは
「いずれ」も同様に不定称の指示代名詞で、「どちら」「どれ」などの意味を持ちます。
「いずれの品も素晴らしい」「いずれにせよ早急に対応が必要」といった使い方がされます。
副詞としては、「いずれ訪れる機会があるだろう」「今は難しいが、いずれ可能になる」というように使われます。
「いづれ」との違いは、主に表記にあります。
意味や使い方に差はなく、現代仮名遣いでは「いずれ」が標準的な表記となっています。
まとめ
「いづれ」と「いずれ」は意味や使い方に違いはありませんが、現代の文書では「いずれ」が一般的に使われる表記です。
「いづれ」も間違いではありませんが、古文など特定の文脈で使われることが多いため、現代文では「いずれ」を選ぶのが無難です。
何れにせよコミュニケーションを行って行く上では、知って使う言葉と、知らずに使う言葉によって、相手が取る印象が異なっていきます。
幅広い知識を身に着けていきたいところです。